和装で叶える!厳かな雰囲気と家族の絆を結ぶ神前式
はじめての方へ | 公開: / 更新:
白無垢や色打掛に身を包んだ花嫁の姿。
凛として気高く、それでいて柔らかな華やかさを放つその姿は、日本人の心を揺さぶる特別な美しさです。
洋装のチャペル式が定番となった今も、「日本人だからこそ和装で式をしたい」「家族とのつながりを大切にしたい」と神前式を選ぶカップルが増えています。
神前式は、夫婦の誓いを神様に捧げるだけでなく、両家を結び、新たな家族の絆を生み出す儀式でもあるのです。
ここでは、神前式の流れや魅力に加えて、神前式の準備の進め方も交えてご紹介します。

神前式が行える場所
1. 神社での本格挙式
地元で親しんだ神社や、歴史ある由緒正しい神社での挙式は格別です。
七五三や初詣、お宮参りなど人生の節目ごとに訪れてきた場所が、結婚式という新たな節目の舞台になることで、家族にとっても感慨深い時間となります。
親世代・祖父母世代にとっても、懐かしさと誇らしさが重なり、深い感動を呼びます。
また、神社により設備はさまざまですが、控室や冷暖房が整っている場所も多く、快適に過ごせます。
2. ホテル・専門式場の神殿
神社まで足を運ばなくても、ホテルや式場内に神殿が設けられている結婚式場も多数あります。
天候に左右されず移動もスムーズなため、ご年配ゲストや小さなお子様がいる場合にも安心です。
会場によっては本格的な造りの神殿が備わっており、神社に負けない厳かな雰囲気を味わえます。
神前式の流れ
神前式は、神の前で夫婦の契りを交わし、両家の結びつきを深める儀式。代表的な流れをご紹介します。
1.参進の儀(花嫁行列)
雅楽の音色とともに、斎主や巫女に誘導され新郎新婦と両家が神殿へ進みます。
まるで映画のワンシーンのように美しく、ゲストの心に深く残る瞬間です。
2.参殿(入場)
挙式を行う神殿に、新郎新婦から血縁関係が近い順番に入場します。
神殿に向かって右側が新郎側のご親族、左側に新婦側のご親族が着席します。
3.修祓(しゅうばつ)
挙式を行う前に、神職により身を清め、心を整えます。
4.斎主一拝(さいしゅいっぱい)
祭事を執り行う斎主へ全員で一度、頭を下げて礼(拝礼)します。
5.献饌(けんせん)
神職が、神殿へお供え物を差し上げます。
6.祝詞奏上(のりとそうじょう)
斎主が祝福するためのことば「祝詞」を読み、ふたりの末永い幸せと両家の繁栄を願います。
7.三献(さんこん)の儀
「三々九度の杯」のことで、神前に供えた御神酒(おみき)を巫女が継ぎ新郎新婦が杯を酌み交わし、夫婦としての契りを固める大切な儀式。杯を重ねるたびに、ふたりの絆が深まります。
大中小の三つの杯に入った御神酒を新郎と新婦が交互に飲んでいきます。
三つの杯を三度に分けて計九回飲むので、三々九度と言います。
8.指輪交換
新郎新婦が結婚指輪を交換します。
9.誓詞奏上(せいしそうじょう)
新郎新婦が神前に進み、誓いの言葉となる誓詞を読み上げることです。
これから夫婦として歩んでいくことや円満な家庭を築いていくことを神の前で誓います。
新郎の堂々とした声、最後に新婦の名前を添える一言に、思わず涙ぐむ親御様も多い感動的な場面です。
10.玉串拝礼(たまぐしはいれい)
新郎新婦が、玉串と呼ばれる榊という木の枝に、木綿(ゆう)や紙を付けたものを神殿へ捧げます。
玉串を捧げた後、お二人は神前へお礼をします。
11.親族杯の儀(しんぞくさかずきのぎ)
親族一同が、御神酒を同時に飲み干すことで、両家が親族となることを誓う儀式です。
晴れて「ひとつの家族」となる瞬間です。
12.撤饌(てっせん)
神職が、神前に供えられたお供え物をお下げすることです。
13.斎主一拝
斎主に合わせて、一同起立し、頭を下げて無事に結婚式が滞りなく済んだことをお礼します。
14.退場
新郎新婦を先頭にして、一同退場します。
式は厳かに進みますが、そこに込められた意味は「夫婦と家族を結ぶこと」。
日本らしい温かさを感じられる挙式スタイルです。
神前式の魅力
1. 家族との絆を深める
神前式は「両家の結びつき」を重んじる挙式スタイル。
親族杯の儀を通じて、親族同士が本当の意味で「家族」となる感動を味わえます。
2. 和装だからこその美しさ
白無垢や色打掛は、日本人の肌や雰囲気に調和する衣裳。
花嫁の横に並ぶ新郎の紋付袴姿も凛々しく、ふたり揃った姿はまさに絵巻物から抜け出したよう。
3. フォトジェニックな瞬間が多い
花嫁行列、三々九度、玉串拝礼…。どの場面も写真映えするため、アルバムやSNSで特別な記録が残せます。
和装を現代的にアレンジしたヘアスタイルや小物使いも人気で、若い世代から「自分らしく楽しめる」と支持を集めています。
4. 少人数結婚式との相性の良さ
神前式は、親族中心の少人数で行うことが多く、アットホームで落ち着いた雰囲気に。
式後に神社やホテル併設の会場で会食を行えば、ゲスト全員とゆっくり過ごせる特別な時間となります。
5. サステナブルで時代に合った選択
神前式は派手な装飾や大量の消耗品を必要としない、シンプルで持続可能なスタイル。
「環境に優しい結婚式をしたい」という価値観を持つカップルにも選ばれています。
6. 世界からも注目される日本の伝統
神前式はインバウンドカップルや国際結婚でも人気を集めています。
外国人ゲストから見ても新鮮で感動的で、日本文化を体験してもらえるのも魅力の一つです。
神前式+披露宴・会食の楽しみ方
厳かな雰囲気の中で日本の伝統を感じられる「神前式」。
挙式を無事に終えたあとは、披露宴や会食でゲストと和やかに過ごす時間が待っています。
ここからは、新郎新婦にとっても、ゲストにとっても「祝福と感謝を分かち合う場」となり、結婚式全体の印象を決める大切なシーンとなります。
披露宴の楽しみ方
神前式で白無垢や色打掛を身にまとったあとは、披露宴でドレスやタキシードにお色直しをする方が多く、「和から洋へ」と一気に雰囲気を変える演出が人気です。厳かな挙式から一転、華やかで華やぎのある披露宴に移行することで、ゲストにとっても印象的な一日となります。
また、披露宴の演出としては以下のような楽しみ方があります。
■ケーキ入刀やファーストバイト
和装からドレスに変わった瞬間の演出は、より華やかに感じられます。
■和装でのお色直し入場
あえて披露宴でも和装を選び、艶やかな色打掛で再登場するのも人気です。
■映像演出
挙式風景をダイジェストで流したり、ふたりの生い立ちを紹介する映像を取り入れれば、ゲストも感動を共有できます。
会食スタイルの楽しみ方
披露宴ほど大掛かりではなく、親族や親しい友人を中心に会食スタイルで行うのも神前式ならではの魅力。落ち着いた雰囲気の中で「食事を楽しみながらゆっくりと感謝を伝えたい」というおふたりに選ばれています。
会食では料理がメインとなるため、料理選びはとても重要です。
■和食中心の会席料理
神前式との統一感を持たせやすく、親世代や親族にも好まれる。
■和洋折衷のコース
幅広い世代に食べやすく、華やかさも演出可能。
■レストランでの会食
美食を楽しめるレストランを貸し切れば、アットホームで上質なおもてなしが実現。ワインとのペアリングや、シェフとの打ち合わせによるオリジナルメニューの提案もできます。
特に近年は、レストランウエディングとして、フレンチやイタリアンを中心にコースをアレンジし、そこに新郎新婦の出身地の食材を取り入れるなど「おふたりらしい一皿」を振る舞う方も増えています。家族だけの少人数会食でも、貸切にすることで特別感が高まります。
神前式の準備の流れ
神前式は「神社」と「ホテルや専門式場内の神殿」のどちらで行うかによって準備が少し変わります。
以下は一般的な流れです。
1.挙式会場を決定
本格的に伝統を感じたいなら神社、アクセスや設備を重視するならホテルや式場の神殿が安心。
どちらがふたりの結婚式に相応しいか判断が難しい場合は、Wedding tableへご相談ください。
2.日取りを相談・予約
神社は六曜や季節によって人気の日が早く埋まります。
大安や友引は予約が集中するため、早めの確認が必須。
また年末年始も、初詣の準備のを早い段階から行うので、注意が必要です。
3.衣裳選び
定番は「白無垢」。
色打掛や引振袖などもあり、披露宴での掛け替えも考慮して選びます。
4.美容・着付けの手配
神前式ではかつら・かんざしを用いた伝統的なスタイルや、洋髪にアレンジしたモダンスタイルも人気。
5.披露宴・会食会場の手配
挙式を行う神社や神殿からの移動時間を考慮して決定。
移動が少ないとゲストの負担も軽減できます。
6.料理や会場装飾の相談
和の統一感を出すなら、会場装花に和花を使う・器を漆や竹で揃える・箸袋に名前を入れるなど、細部まで工夫できます。
7.写真・映像の依頼
神社境内での撮影は事前に許可が必要な場合もあるため要確認。
アルバムや動画撮影をプロに依頼する方が安心。
8.当日の進行確認
神前式は決まった作法があるため、事前にリハーサルや説明を受けておくと安心です。
準備期間の目安として、神前式は準備の流れがシンプルなため、3〜4か月程度の準備期間でも十分に対応可能です。
披露宴や会食を併せて行う場合は、料理や装花など細かい部分の打ち合わせを含めて、半年ほど余裕を見て進めると安心です。
Weddingtableより一言
神前式は、ただ「厳かな式」ではありません。
神前式は、ふたりのこれまでの歩みと、夫婦の誓いを超えて両家の歴史をひとつに結びつけ、「家族の絆」をかたちに残す大切な儀式です。
親御様や祖父母様の目には、和装のふたりの姿が「家族の歴史の続き」として映り、深い感動を呼び起こします。
Wedding tableは、120年以上和装と結婚式を見守ってきた老舗衣裳店。
結婚式場探しから衣裳選び、会食の手配まで一貫してサポートいたします。
日本の伝統を大切にしながら、新しい時代に合った結婚式を――。
和装で迎える神前式は、きっと一生誇れる思い出となるでしょう。
この記事を書いた人
- 辻原
- Wedding 婚礼衣装スタイリストとして、約1,000組の新郎新婦を担当してきただけでなく、ドレスショップ勤務の経験も活かし、結婚式準備~結婚式当日までの流れを熟知しているプロフェッショナル。衣装に限らず結婚式のあらゆるジャンルの記事を執筆。保有資格:マタニティの医療サポート認定資格「マタニティコンシェルジュ」