少人数結婚式とは、ゲスト人数30名未満のコンパクトな結婚式のことをいいます。
 
結婚式場によっては「40名以下」と定義されることもありますが、新郎新婦の家族や、ごく親しい友人など『本当に呼びたい人だけ』をお招きするのが特徴です。
 
ときには10名以下という超小規模なスタイルもあり、最近では『ふたりだけの結婚式（挙式＋会食）』を選ぶカップルも増えてきています。
 
「堅苦しい儀式のような結婚式が苦手」「派手な式はちょっと苦手…」「身内だけで落ち着いてお祝いしたい」というカップルには、ぴったりの選択肢です。

実際にどのくらいのカップルが少人数結婚式を選んでいるのでしょうか？
 
「ゼクシィ結婚トレンド調査2018（首都圏）」によると、披露宴・パーティのゲストが30人未満だった割合は14.2％。
内訳は以下の通りです：
•10人未満：3.4％
•10～20人未満：5.0％
•20～30人未満：5.8％
 
2012年は8.9％だったため、わずか6年で1.5倍以上に増加していることがわかります。

 
一方で、以前主流だった「80～90人規模の披露宴」は、2012年の19.4％から2018年には13.7％へと減少傾向に。
大人数から少人数へと、結婚式のニーズがシフトしてきているのです。

特に注目したいのが、平均招待人数の減少傾向です。
2020年の全国平均66.3人に比べ、2022年は43.2人と大きく落ち込み、コロナ禍の影響が顕著に表れました。
その後も大人数に戻ることはなく、2024年の首都圏では平均52.0人と、少人数～中規模結婚式が「新しい標準」になりつつあるのです。

 
少人数結婚式が特に支持されているのは、30代の新郎新婦です。
なかでも35歳以上では、2018年時点で実に34.1％がゲスト30人未満のスタイルを選んでいたという調査結果もあります。
 
その理由は明確です。
•年齢を重ねる中で、付き合いが「本当に大切な人」へと絞られていく
•再婚や子育て・マタニティなど、ライフスタイルに合った式が求められる
•親族中心で、落ち着いた結婚式を望むカップルが多い

 
また、首都圏では地方出身のカップルも多く、遠方ゲストへの配慮から少人数結婚式を選ぶケースが増加しています。
都内は少人数対応の結婚式場やレストランも豊富で、選択肢が広いのも人気の理由です。

少人数結婚式にはいくつかの挙式スタイルがあります。
教会などで挙式のみを行うスタイルの場合、費用の目安はおよそ50万円です。
しかし、純粋に挙式のみとなると、せっかく参列してくれたゲストの方々に対して充分なおもてなしができません。
そのため、挙式のみを選ぶカップルは少なく、挙式と食事会を行うケースが一般的です。
挙式と食事会を行う場合、費用の目安はおよそ80万円～130万円です。
食事会を含む挙式スタイルならレストランを会場として選ぶこともできるため、少人数結婚式に人気となっています。

少人数結婚式であっても、大人数での結婚式と同様に挙式と披露宴を行うこともできます。
挙式と披露宴を行う結婚式スタイルの場合、費用は100万円以上を目安にしておきましょう。
少人数結婚式の場合、料理や引き出物が人数分で済むため、ゲストに関する費用は抑えられる部分が多いです。
しかし、ゲストの人数が多くても少なくても、費用が変わらないものもあります。
例えば、新郎新婦の衣裳代などはゲストの人数に関わらず同じように費用が掛かるので、予算を組むときには注意が必要です。

結婚式は、人生の中でも特に大きな節目の一つ。だからこそ、心から納得できるスタイルで実現したいと考えるカップルは多いものです。最近では「派手な演出や大勢のゲストは望まない」「大切な人たちと、心に残る時間を過ごしたい」という想いから、少人数結婚式を選ぶ方が増えています。ここでは、少人数結婚式ならではの魅力について、費用・準備・雰囲気の3つの観点からご紹介します。

 
まず、大きなメリットのひとつが費用を抑えられることです。
少人数で行う結婚式は、当然ながら必要なアイテムやサービスが少なくて済みます。例えば、料理や引き出物の数が少なくなるだけでなく、招待状や席次表といったペーパーアイテムも最小限で済むため、その分のコストをカットできます。
また、ゲストの数が少なければ、広い会場を借りる必要がなく、装花などの装飾にかかる費用も抑えることができます。その結果、大人数での開催よりも結婚式全体の予算をコンパクトにまとめられるため、新婚旅行や新居の準備など、他の大切なことにお金を使う余裕が生まれます。

 
次に、準備の負担が軽くなるという点も見逃せません。
一般的な結婚式では、招待状の作成や出欠確認、席次の決定など、多くの時間と労力がかかります。しかし少人数であれば、ゲストへの連絡も電話やメールで済ませられることが多く、招待状は日時と場所を伝える簡易的なもので済ませることも可能です。
席次についても、テーブルの数が限られているため、複雑な調整が不要になります。限られた準備期間でも、無理なく、そして自分たちらしい式の内容に集中できるのは大きな魅力です。
 

そして何より、少人数結婚式の最大の魅力は、アットホームな雰囲気の中で、ゲスト一人ひとりとのつながりを深く感じられることにあります。
大人数の結婚式では、職場の上司や知人など、あまり親しくない人も招待せざるを得ないことがあり、新郎新婦のどちらかにとっては初対面というゲストも珍しくありません。
その結果、ゲスト同士も気を遣い合い、緊張感のある場になってしまうことも。しかし、少人数の式なら、お互いに顔見知りのゲストばかりというケースが多く、自然体でリラックスした空気の中で、心温まる時間を過ごすことができます。

 
アットホームな少人数結婚式なら、新郎新婦もゲストの方々も緊張せず自然体でふるまうことができるため、話も弾むことでしょう。
ゲストひとりひとりにゆっくりとおもてなしができる点も少人数ならではのメリットです。
ゲスト1人ずつと話をしたり、写真を撮ったりする時間を作ることができます。
また、料理や引き出物をゲストの好みに合わせて選ぶことも可能なので、自分たちだけでなくゲストにも満足してもらえるような式が目指せます。
 
また、新郎新婦がゲスト全員とゆっくり話したり、自由に写真を撮ったりする時間を持てるのも、少人数ならでは。料理や引き出物をゲストの好みに合わせて選ぶなど、細やかなおもてなしも実現しやすくなります。そうした配慮は、ゲストの満足度にもつながり、「本当に良い式だった」と心に残るものになるでしょう。
 
このように、少人数結婚式は、費用面でも、準備のしやすさの面でも、そして何よりゲストとの距離の近さという点でも、大きな魅力が詰まったスタイルです。「派手さよりも本質を大切にしたい」「大切な人たちと心を通わせる式にしたい」というカップルにとって、ぴったりの選択肢と言えるでしょう。

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少人数結婚式は、費用や準備の負担を抑えられたり、アットホームな雰囲気で行えるなど、多くの魅力があります。しかし、どんなスタイルにもメリットとデメリットがあるように、少人数結婚式にも注意しておきたい点があります。
ここでは、少人数結婚式を検討する際に知っておきたい2つの主なデメリットをご紹介します。
 

1. 会場選びに制限がある

 
少人数結婚式の課題としてまず挙げられるのが、対応している結婚式場が限られているという点です。
依然として大人数での結婚式が主流であるため、多くの会場では「最低○名以上から利用可能」といった人数制限が設けられていることがあります。希望していた人気の式場が、少人数では利用できなかったというケースも珍しくありません。
 
また、大人数向けの広い会場を少人数で利用することができたとしても、会場の広さに対してゲストの人数が少なすぎると、空間が寂しく見えてしまうことがあります。
そうした場合は、パーテーションや装飾で工夫する必要があり、逆に費用がかかる可能性もあるため、人数に合った広さの会場を選ぶことが重要になります。

2. ゲスト1人あたりの費用が割高になる場合も

 
もうひとつのデメリットは、ゲスト1人あたりにかかる費用の単価が高くなりやすいという点です。
大人数の結婚式では、人数が多い分、料理や引き出物などのコストが抑えられ、単価が割安になる傾向があります。一方、少人数結婚式では、ゲスト1人ひとりに対して手厚いおもてなしをする分、結果的に「1人あたりのコスト」が高くなることもあります。
 
ただし、ここで大切なのは全体の費用を見ることです。
ゲストの人数が少ない分、たとえ1人あたりの単価が高くなっても、トータルで見ると費用は抑えられるケースが多いのです。むしろ、その分の予算を活かして、料理のグレードを上げたり、引き出物をこだわったりと、ゲストにとって記憶に残るようなおもてなしが可能になります。

 
少人数結婚式には、会場探しの難しさやゲスト単価の割高さといった注意点がある一方で、それを補って余りある魅力もたくさんあります。大切なのは、自分たちの理想の結婚式をどんな形で実現したいかを明確にすること。
デメリットを事前に把握しておくことで、より納得のいく式づくりができるはずです。

少人数結婚式の割合は、その推移を見ても年々増加傾向にあることがわかります。
その理由としては、費用を安く抑えられることや準備が楽になることが挙げられます。
アットホームな雰囲気の結婚式であれば親族や友人との絆を深めることもできるので、自分たちにもゲストの方々にとっても思い出に残るような式になることでしょう。
気になった人は少人数結婚式も検討してみてはいかがでしょうか。